1955年の創業当時から、山や田畑を開墾し、松江市大井町でお茶の木を育て始めました。
長い時間をかけて、少しずつ茶畑の面積を広げ、作りあげられてきた、美しい茶畑の風景があります。
ここ大井町は、私の祖父母が「茶」で生活を営んできた場所であり、私自身にとっても子どもの頃から何度も何度も遊びに訪れ、苗木の新植や、茶摘みや草取りなど、たくさんの思い出が詰まった大切な場所です。

しかし、かつて畑のあちこちから声が響き渡ったこの地区も、あちらで一軒、こちらで一軒と、農家が減り続けてしまっています。
…このままいけば、いずれ松江の茶作りが途絶えてしまう。
この美しい茶畑を、この美しい田園の風景を、何とか守り続けていきたい。
いつしかそんな思いを抱くようになり、20代前半で会社勤めを辞め、今は亡き祖父から茶作りの手ほどきを受けるようになりました。
この松江のお茶づくりの文化をこれからも残していきたい、昔からの当たり前のようにあった風景を大切にしていきたいと思っています。
しかし、周辺地区の衰退は私の想像以上に早く、今ではイノシシ等の被害も増えてきました…。
温暖化、想定外の気象被害の頻発、問題は数多くありますが、
ちいさな夢を持って、農業を続けていきたいと思っています。

祖父母が創めたお茶の栽培と製造直売。
茶畑を年々増やし、栽培を続けること60年以上。
松江伝統のお茶作りはもちろん、田畑を耕すことに奔走してきました。
そして2022年。
新しい可能性を探るため、ハーブ栽培を新たにはじめました。
私たち農家の挑戦は、まだまだこれからも続いていきます。